屈斜路湖から始まる物語屈斜路カルデラと釧路川源流
屈斜路湖は北海道東部に位置するカルデラ湖。
TAPKOPからも歩いて10分ほどで見に行くことができます。
藻琴山、サマッカリヌプリなど外輪山とする東西26km、南北20kmの日本最大のカルデラである屈斜路カルデラの内側に、およそ3万年前に形成されたといわれています。
春にはエゾヤマザクラに始まり新緑、夏はカヌーやSUPなどレジャーで賑わい、秋は湖畔の森は橙色に色づきます。シベリアからオオハクチョウがやってきて、寒さ厳しい冬を迎えると、やがて湖は氷で閉ざされていきます。
湖畔には四季折々の魅力があり、ここでの暮らしは屈斜路湖と共にあるといっても過言ではないでしょう。
女満別空港からTAPKOPまでの道中にある「美幌峠」
天候が良ければ、屈斜路湖とそれを取り囲むように並ぶ屈斜路カルデラの外輪山を眺めることができます。
何度か訪れている方であれば、TAPKOPのある「丸山」を見つけられるかもしれません。向かって右手にのびる和琴半島の先に丸山とヌプリオンド、二つの山が並んでいます。
屈斜路湖の代表的な場所を3つご紹介します。
一つ目は紅葉の名所でもある和琴半島。
もともとは屈斜路湖ができた後の火山噴出による単独の火山島でした。
今でも地熱が高く、半島の先端の「オヤコツ地獄」では噴煙が上がる様子が見られます。
和琴半島を一周する自然探勝路は一周およそ1時間ほどで巡ることができますが、カヌーツアーで湖から和琴半島を一周するのもおすすめ。オヤコツ地獄を間近に見ることができます。
平均水深は28.4m、カルデラ湖としては浅い屈斜路湖ですが、和琴半島東岸の旧噴火口最深部は117mと言われています。
二つ目は砂湯。
砂浜をスコップで掘り進めていくとジワジワと温かい温泉が噴出します。
うまく掘って、椅子を設置すれば自分だけの足湯も。
夏は海水浴ならぬ湖水浴をする人で賑わいます。冬はオオハクチョウが見られ、屈斜路を訪れた多くの方が遊びに立ち寄るスポットです。
最後にご紹介するのが、釧路川の出発地点「眺湖橋」。
およそ30以上の河川の流入がある屈斜路湖ですが、流出する河川はこの「釧路川」一本のみ。
屈斜路(くっしゃろ)の語源はアイヌ語で「流れ出る口」を意味するクッチャロが転じたもの。この言葉には喉元という意味があります。
釧路川のスタート地点である眺湖橋。
この橋をくぐり、「クッチャロ」を通っていくと川旅の始まり。
この川をすこしくだった先にTAPKOPはあります。
TAPKOPの付近には「チャシ」と呼ばれる、アイヌの史跡があります。
チャシとは砦や見張り場など多目的な用途で使われていたとされていますが、TAPKOPからほど近い丸山第一・第二チャシ(クッチャロシペチャシ)跡は主に重要な食料である鮭マスを観察したり、屈斜路アイヌのテリトリーを示すものであったそう。このような史跡が付近にあることからも古くからこの地で人々が生活を営んできたことが窺い知れます。
スタート地点は海抜121m。
154kmのゆったりとした流れの中で屈斜路湖を出発した釧路川源流は蛇行しながら大地を潤し、太平洋へと注ぎます。
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